なんとも興味深いタイトル、大学の図書館で偶然発見し、勢いのままに読みました。
内容としては、博士課程を修了し、その後研究者以外の道へ進んだ人たちへのインタビューをまとめたものです。
僕は現在、(一応)研究職に就いていて、来年から大学院に進む予定なので、世間的には研究者を目指す形になるかもしれません。
とは言っても、僕の進む大学院は地方の私立大の大学院です、おそらく博士課程まで進まなければ研究職の道は厳しいと思います。
その上、昨今ポスドク問題が顕著なようなので、頑張って博士号を取得して運良く非常勤、講師あたりになれたとしてもその先の未来は決して保証されないでしょう。
という全く先行きが見えない中で大学院に進むというのはもはや冒険です。
志半ばで民間企業へシフトする可能性も往々にしてあるわけで、実際、その場合ってどういう感じになるんだろうともやもやしていました。
この本はそのもやもやを少しばかり振り払ってくれました。
研究者から民間企業へシフトするとき、やはり問われるのは身についている能力。
研究者として培った能力のうち、それをどのように仕事に生かしてくれるのか。
大きなところだと、統計学周りの知識みたいです。
もしくは研究分野とマッチする仕事があれば即戦力。
他には起業であったり、研究者を支える側になったりと、実は多様。
本気で研究に取り組んで培われた能力はいつか自分を助けてくれるようです。
あとは、ちょっと前にTwitterで見た記事、「全国初の「17歳の大学生」になったが…早熟だった「物理の天才」が、いまトレーラー運転手として働くワケ」。
いくら優秀でも稼げないこともあるという現実。
本の中には、民間企業にシフトしてお給料が増えて、なおかつお客さんに感謝されて嬉しかった、というエピソードがありました。
研究者として得た能力をその後に活かせるかどうかは自分次第ということなんでしょう。
僕も色々と勉強して、あとあとに活かせそうな趣味とかにも時間を割いていこうかなと思います。
また将来に悩んだらこの本を読もうと思います。