卓球界隈でちょっと話題のコーチ募集の件についての持論

ほうです。

なんだか話題になっているこちらの件。

  • 1年以上継続
  • 給与なし
  • ↑一応歩合?

大雑把にいうとこういった条件でのコーチ募集。「労基は大丈夫なの?」的な話で界隈が騒いでいた印象。ツイート内の、「結果を出す」というのがどの程度の結果のことをいっているのかはわからないけど、一般企業なら出してくれそうな手当(家賃補助、通勤・・・)も無さそう。勤務場所の近くに住んでいる人でなければ引っ越しが必要になるかもしれない。ある程度はお金に余裕がなければ厳しそうという印象。

この話を聞いて思うことは、「相当な覚悟がないと厳しいだろうな」ということ。

ほとんどの指導者はボランティア

都会などであればお金をとるタイプの卓球教室は需要がありそうだけど、はたして地方にはどれほど需要があるのか。

少なくとも、僕が指導者をしている地区ではお金を取って卓球を教えている人なんていないと思う(多分)。みんなボランティア。

その多くは、自分の子供や兄弟がスポ少・中学校で卓球をしているから指導者として参加するというパターン。もしくはOBOG。

僕の場合は「頼まれて」というよりは自分から「練習見に行ってもいいですか」というスタンスで始まった。だから別に見返りなどは求めない。

自分でも不思議に思うことがあるけど、仕事でもアルバイトでもないのに、1週間の多くの時間を卓球指導に割いている。週末に大会などがあれば1日潰れることになる。県大会などの大きい大会となれば選手と一緒に遠出する。大会時には昼食のお弁当をいただくことがあるけど、それだけでも全然嬉しく感じる。

僕は大学1年から4年間ほど、このような「ボランティア」という形で指導者をやってきた。そして今も。

地方に来ちゃうとこういったボランティアの指導者がわんさかいる。なので、指導者としてスキルアップしたとしても、それでお金を稼げる場は限られるだろう。

お金が欲しいとは思わない

お金をもらった瞬間に、「強くしないといけない」「試合で勝てるようにしないといけない」という責任が発生する。

ボランティアでやってきた身としては、今さらこんな責任には耐えられないと思う。あくまで無償でのボランティア活動というスタンスなので、ある程度自由にやっている。その中で強い選手が育ったら嬉しいけど、僕の中では卓球を楽しみつつ成長して、進学しても卓球を続けてくれたらなおのこと。お金をもらってしまったら選手の成長を素直に喜べないと思うし、仕事という意識が生まれた瞬間、何も楽しくなくなると思う。

ここまで書いてきて思ったけど、多分僕は変わってる方だと思う。なんのメリットもないはずなのにプライベートを地域の小中学生に捧げているのだから。
僕が中学を卒業して今年で10年。僕の出身中学で僕以降に指導者の道に進んだ人はいないと思う。まあそうだろうね。

指導者として大成するのは難しい

あいつの指導力はすごい、って言われるためにはどうすればいいのか?一番簡単なのは、強い選手を育てること。になるのかな。でも、それってどのくらい時間がかかるのか。
僕の中では、「未経験から育てて全国大会出場」くらいができて初めて「指導力がある」と言えるんじゃないかと思ってる。(僕は指導力がないということになる)

卓球は初期に培った基礎力が一生ついてくる。だからある程度基礎ができる人を育て始めても、一概に指導力があるとは言えないと思う。あくまでも基礎を叩き込めるかどうか。クセなく一直線に強くなり続ける選手を育てる技量があって初めて指導者として一目置かれるんじゃないかと思う。

さて、何が言いたいかというと、指導者として大成するのは難しいしめちゃくちゃ時間がかかるということ。選手として名を上げたいのであれば自分が強くなればいいけど、指導者としてとなると人を育てないといけない。何年かかるのかな。相性っていう問題もあるし。

まとめ

ということで、「指導者として食っていく」なんて考えない方が良いと思う。

「競技実績不問」という文字もあることから、僕のような実力のない人間でも何かの間違いで受かってしまうかもしれない。そうなったとき、指導者としてのスキルがついたとしても、その後稼げる場があるかどうか。
指導者として活動しつつ、例えばYouTuberなど、マルチに活動できるポテンシャルがあるのならまた変わってくるけど。

とにかく、趣味は趣味のままにしておいた方が良い。「運転が好きだから」という理由でタクシーをやってボロボロになった僕がいうんだから間違いない。重い責任を負わずに趣味半分でできるボランティア指導者の方がきっと楽しいよ。人の繋がりもできるし。

以上だ。

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